この記事の【目次】
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あなたは、暗号通貨(仮想通貨)を取引所に置きっぱなしにしてはいませんか?
取引所を銀行のように考えている人も多いと思いますが、取引所は過去に何度もハッカーの標的となり、「暗号通貨が盗まれる」という事件が頻繁に起きています。
銀行は銀行強盗に現金を盗まれても、あなたの預金はなくなることはありませんが、取引所がハッキングされて暗号通貨が盗まれれば、あなたの暗号通貨は返ってきません。(ただし、日本のいくつかの取引所は、条件によって100万円までの保証がある)
また、取引所はあなたのIDやパスワードを全て知っているため、マウントゴックス事件で疑惑を持たれているような「顧客の暗号通貨を不正に盗み出す」ことも可能性として十分考えられます。
※マウントゴックス事件の疑惑の真相はまだわかっていません
このように、「取引所に大量の暗号通貨を置いておく」ことは「自宅の庭に現金が入った財布を置いておく」のと同じようなものです。
取引所には、頻繁に売買する資金だけを置いておき、貯蓄として長期保有する資金については、取引所とは別のウォレットに保管するほうが安心でしょう。
そうはいっても、ウォレットには沢山の種類があるため、どのウォレットを選べばよいのか分からないと思います。
そこで、今回は長期保管にオススメのウォレットと、その設定方法について解説します。
安全性と利便性を様々なウォレットで比較
「ウォレット」には、さまざまな種類がありますが、大きく以下の4種類に分かれます。
- ウェブウォレット
- モバイルウォレット・デスクトップウォレット
- ハードウェアウォレット
- ペーパーウォレット
これらのウォレットを選ぶ場合のポイントは「安全性(セキュリティ)」と「利便性(使い勝手)」です。
この組み合わせで、自分の用途に合った最適なものを選択するとよいでしょう。
なお、取引所のセキュリティに関しては、下記の記事で解説していますので参考にしてください。
参考:【コインチェック(coincheck)】利用の注意点。暗号通貨(仮想通貨)取引所のセキュリティ対策やリスク分散は万全に!
ウォレットとは
暗号通貨のウォレットは、お金を保管する「財布」や「銀行口座」に例えられます。
一方、ビットコイン(暗号通貨)の場合は、「硬貨」や「紙幣」のような実体があるものではなく、「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」の2つを保管します。
「ビットコインアドレス」は、1つ1つのウォレットを区別するための「識別番号」、「秘密鍵」はウォレットに暗号通貨を入出金(送金、受け取り)するのに必要な「暗証番号」と理解すればわかりやすいでしょう。
このビットコインアドレスと秘密鍵を、「どこに保管するか」によって、ウォレットの種類が異なります。
なお、暗号通貨の保有数量はブロックチェーン上に取引データの履歴という形で保存されています。(ウォレットの中に記録されているわけではない)
ブロックチェーンの仕組みについては、下記の記事を参考にしてください。
参考:【図解】ブロックチェーンとは何かをわかりやすく解説。株式市場でも関連銘柄(本命)は大注目!
ウェブウォレット
安全性 → 低
利便性 → 高
例:暗号通貨取引所、Blockchain.infoなど
ウェブウォレットは、その名前の通り「秘密鍵」をインターネットのサーバー上で保管します。
利用者が、ウェブウォレット提供会社にアカウントを作成すると、そこに「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」が保管(新規作成)されます。
インターネット上に「秘密鍵」がありますので、どのパソコンやスマホからも共通でアクセスすることができ、簡単な操作で暗号通貨を入出金できますので、非常に便利です。
その反面、他のウォレットに比べてハッキングで盗まれたり、不正行為が発生したりしやすくなります。
暗号通貨の売買を行う取引所は、このウェブウォレットの一種だと言えます。
取引所以外にも、ウェブウォレットサービスのみを提供している会社もあります。
モバイルウォレット・デスクトップウォレット
安全性 → 中
利便性 → 中(デバイスをネットワークから切り離せば、高)
例:Mycelium、Airbitz、breadwallet、Copay、Jaxxなど
ウェブウォレットが「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」をインターネット上で管理するのに対し、モバイルウォレット(スマホ)やデスクトップウォレット(パソコン)は、そのデバイスの中に専用のアプリをインストールし「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」を保管します。
「秘密鍵」は自分が所有するデバイスで保管しますので、ウェブウォレットよりも安全性は高くなりますが、そのデバイスをインターネットに繋いでいる場合は、ハッキングのリスクは0ではありません。
また取引所やウェブウォレット提供会社は、パスワードを忘れても再発行してくれますが、モバイルウォレット・デスクトップウォレットで「パスワードを忘れた」あるいは「デバイスそのものが壊れてバックアップも取っていない」などの場合は、暗号通貨を紛失する(取り出せなくなる)ことになります。
ハードウェアウォレット
安全性 → 高
利便性 → 低
例:Trezor、Ledger NanoSなど
ハードウェアウォレットは、パソコンやスマホではなく、専用のデバイス(パソコンとUSB接続)で「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」を保管します。
入出金やメンテナンスをする場合以外は、完全にネットワークから切り離されますので安全性は最強です。
また、リカバリーフレーズ(リカバリーシード)に対応しているウォレットもあり、デバイスの故障・紛失などの場合でも復旧することが可能です。
※ただし、リカバリーフレーズを紛失すると暗号通貨を紛失する(取り出せなくなる)ことになる。
ハードウェアウォレットは、必ずメーカーサイトか正規代理店で購入しましょう。
Amazonなどのネットショップや、メルカリ、ヤフオクなどの個人売買サイトで購入すると、詐欺(ウォレットの中の通貨を盗まれる)可能性があり、非常に危険です。
ペーパーウォレット
安全性 → 高
利便性 → 低
例:bitaddress.orgなど
ペーパーウォレットは「秘密鍵」を電子データではなく、QRコードとして紙に印刷して保管します。
ハッキングや不正行為の心配は全くありませんが、今度はその印刷した紙自体の保管に注意する必要があります。
印刷した紙を紛失したり、QRコードが読み込めなくなるほど傷んだ場合は、暗号通貨を紛失することになります。
ペーパーウォレットの印刷サービスを提供しているサイトで印刷し、ウェブウォレット、モバイルウォレット、デスクトップウォレットなどでQRコードを読みとることで復元できます。(ペーパーウォレットに対応していないウォレットもある)
資産管理におすすめなウォレットランキング
ビットコインのウォレットは、「利便性が高ければ安全性が低い」「安全性が高ければ利便性が低い」と全てにおいて優れているものはありません。
ここでは「長期保管」にすぐれたウォレットに着目し、オススメランキングの上位3つを紹介します。
第1位 Copay(コペイ)
モバイル・デスクトップウォレットで、使いやすさはNo.1です。
ウォレットを入れたデバイスを、ネットワークから切り離した状態で保管することにより、安全性をハードウェアウォレット同等に引き上げることができます。
パソコンとスマホの両方にアプリがあり、この2つを同期することもできます。
また1つのアプリ内に複数のウォレットを作成することも可能です。
そして、なんといっても無料で導入できるため、すごく人気があります。
第2位 Ledger Nano S(レジャーナノ エス)
有料ですが、ハードウェアウォレットの中では比較的安価で、対応しているコインも多いのが特徴です。
国内取引所のZaifを運営するテックビューロ社が輸入代理店となっており、Zaifのサイトに日本語マニュアルが公開されています。
リカバリーフレーズを保管しておくことにより、デバイスの破損など不慮の事故の場合も、ウォレットを復元することができますので安心です。
第3位 breadwallet(ブレッドウォレット)
スマホはiPhone版・Android版の両方がありますが、PC版はありませんので、スマホのみで保管したい人におすすめです。
またCopayと同じく、スマホをネットワークから切り離した状態で保管すれば、安全性をハードウェアウォレット同等に引き上げることができます。(その場合、日常生活で使用しているスマホとは別のものを用意する必要あり)
日本語対応がされていないのは少し残念ですが、初心者でも使いやすくなっています。
また国内取引所のbitflyerが出資しているため安心感もあります。
このウォレットも無料で利用することができます。
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モバイル・デスクトップウォレット「Copay」の作成手順(使い方)
実際にビットコインウォレットを作成してみましょう。
ここでは、モバイル・デスクトップウォレットのCopayの作成手順について説明します。
Windows版で説明しますが、他のプラットフォームについても操作は同様です。
Copayのインストール
まずはCopayを公式サイトからダウンロードして、PCにインストールします。
Copay公式サイトからダウンロード
- 「COPAYをダウンロード」をクリック
- 「こちらでダウンロード Windows」をクリック
ダウンロードファイルを選択
ダウンロードファイルの一覧が表示されますので、それぞれ該当するプラットフォームのファイルをクリックしてダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイル(Windows版であればCopay.exe)をダブルクリックして起動してください。
Copayアプリの起動
アプリが起動したら、順次クリックして画面を進めます。
途中でメールアドレスを入力する画面がありますが、これはウォレットから送金するときに通知を受け取るメールアドレスを入力してください。
復元フレーズの表示
復元フレーズが表示されますので、紙などにメモして大切に保管してください。
この復元フレーズがあれば、仮にCopayをインストールしたデバイスが故障などで使えなくなっても、ウォレットは復元することができます。
利用規約などにチェック
利用規約を確認し、「承諾して終了する」をクリックすると、ビットコインウォレットが完成します。
送金時パスワードの設定
送金時にパスワード入力を求めるように設定します。
特にスマホの場合は、送金時のパスワードを設定しておかなければ、第三者によってコインを奪われる危険性が高まります。
したがって、送金時のパスワードを設定しておくことをおすすめします。
あとは「設定」-「表示通貨」を「Japanese Yen」に変更しておきましょう。
Copayでの受け取り
画面下の「受取」をクリックすると、QRコードとビットコインアドレスが表示されます。
送金元のデバイスにカメラがあればQRコードを読み取り、なければビットコインアドレスをコピーします。
ビットコインアドレスは、クリックするとクリップボードにコピーされますので、そのまま送金元の宛先にペーストすることができます。
送金元の取引所にもよりますが、coincheckから送金した場合は、10分程度で受け取りが完了しました。
Copayからの送金(送信)
画面下の「送金」をクリックし、画面上部に送金先のビットコインアドレスを入力します。
カメラがあるデバイスであれば、「スキャン」アイコンをクリックして送金先のQRコードを読み込むこともできます。
その後、送金するビットコインの数量を入力し、「→」アイコンをクリックします。
Copayでは、送金する数量は小数点第6位(0.000001)以降が切り捨てとなりますので注意してください。
送金先にもよりますが、通常は数十分程度で送金が完了(送金先に着金)します。
ウォレットの同期、ウォレットの復元
「ウォレットの同期」と「ウォレットの復元」は同じ手順で行います。
どちらもウォレットを追加し、「ウォレットのインポート」を選択します。
その後、「復元フレーズ」に「同期したいウォレットの復元フレーズ」または「復元したいウォレットの復元フレーズ」を入力すれば、ウォレットの同期または、ウォレットの復元ができます。
ウォレットのインポート
「ウォレット」の右側にある「+」アイコンをクリックし、「ウォレットをインポート」をクリックします。
ウォレットのインポート画面が表示されますので、復元フレーズを入力し「インポート」をクリックします。
パスワードを忘れて復元したい場合は、「設定」-「ウォレット」を選択し、「その他オプション」-「ウォレットを削除」で一旦ウォレットを削除してから復元を行って下さい。
ハードウェアウォレット「Ledger Nano S」の使い方
Ledger Nano S(レジャーナノS)の使い方については、下記の記事にまとめています。
参考:Ledger Nano S(レジャーナノS)の購入方法と使い方。正規代理店でリップル対応のハードウェアウォレットを入手!
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